初代プリウスについて

初代プリウスについて!

「21世紀に間に合いました。」

 

このキャッチコピーに聞き覚えはありませんか?これは1997年12月に量産ハイブリッド自動車としてトヨタが発売した初代プリウスのキャッチコピーです。手塚治虫さんの『リボンの騎士』が登場したCMを、当時目にした方も多いのではないでしょうか。

 

 

現在では一般的ですが、フロントグリル(※1)とボンネットとを境目なく繋げたデザインは当時珍しく、話題を呼びました。これはデザイン性だけでなく、空気抵抗の減少といった機能面でも役立っており、また車高を高くすることで乗り降りの容易さ、またその広さから車内の空間を効果的に使えることも考えられていて、デザインだけでなく機能面においてもプリウスは格段の進歩を見せました。

 

全体の外観デザインはアメリカにあるトヨタのデザイン拠点CALTYが担当していて、その見た目は未来を感じさせるスタイリッシュなものとして注目を集めました。セリカやエスティマのデザインも担当したCALTYらしい斬新なデザインだったのですね。サイズも5ナンバー(※2)4ドアと小さく、高級車のような仰々しさもないため、人々に広く受け入れられました。

 

初代プリウス

 

豆知識として、この初代プリウスの開発責任者が内山田竹志さんだったということも覚えておいていいかもしれません。内山田さんは現在トヨタの代表取締役会長を務めるとてもすごい人です!そんな人であればプリウスのような画期的な車種を開発してしまうのも納得ですよね。

 

内山田さんを中心として1993年に発足したG21プロジェクトは燃費性能を既存の1.5倍にまで引き上げることを目標に進められ、発足から約4年の歳月を経て、プリウスを世に送り出すに至りました。そう考えるとなんだか感慨深いものがありますね。

 

 

(※1)自動車前面にある網の部分を指す。空気を取り込むことでボンネット内の熱を逃がす役割を果たしている。

 

(※2)全長、全幅、エンジン排気量によって決められる区分。全長4700mm未満、全幅1700mm未満、エンジン排気量2000cc未満のものは5ナンバーに分類され、どれか一つでも基準を超えていると3ナンバーに分類される。

初代プリウスの足回りは?

プリウスシリーズでは伝統的に超軽量の鍛造アルミホイールが採用されていて、その上に樹脂製のホイールカバーを装着しています。この手法は初代から始まり、現在販売されている4代目プリウスに至るまで、もれなく用いられています。この手法によってフロントグリルとボンネットのデザインと同様、空気抵抗の低減を実現しています。

 

内装としてはそれまでほとんどの車種で採用されていなかったセンターメーターが特徴です。運転席の前ではなく車の中央にメーターを置くことで、ハンドルの左右によってパーツを変える必要もなくコストダウンに繋がりますし、運転者の視認性という意味でもメーターと車外の景色との距離の差が縮まるため焦点が合わせやすくなり、安全に運転できるという利点もあります。また、メーターの中央に様々な情報を表示する5.8インチマルチインフォメーションディスプレイを採用したのも当時としては画期的でした。

 

他にも走行中でもエンジンが停止する独自の駆動方式や水温計、タコメーターの不採用など、様々な特徴があり、後のインテリアデザインに多大な影響を与えました。

初代プリウスの燃費と価格

発表段階での燃費は当時使われていた10・15モード(※1)という計測方式で28.0km/Lと他の車種とは比べ物にならないほどの燃費の良さを誇っていました。さらに、その後の改良によって最終的な燃費は31.0km/Lにまで伸びたというのですから驚きです。

 

そうした燃費性能はToyota Hybrid System(以下、THS)と呼ばれる、モーターを主体に電力を最大限に活かして駆動するシステムによって実現されています。ミラーサイクル方式を用いた1NZ-FXE型ガソリンエンジンと1CM型(※2)永久磁石式同期モーターとを車の走行シーンに応じて使い分けることで無駄な燃費を消費せずに走行することができるのです。初代プリウスが採用したTHSでは主にモーターを主軸に据えることでエンジン駆動によるガソリンの消費を大幅に減らしました。

 

それだけの技術を結集しただけあって販売価格は当時としてはかなり高価な215万円で売り出されました。当時の90年代後半の車種の中でプリウスと同程度のものだったサルーンの価格が152.7万円だったことを考えると驚くほどの価格ですね。ですが、これだけの値段でもハイブリッドシステムをはじめとした様々な新技術のコストを回収しきれていないとも見られており「バッテリーの価格分しか回収できていないのではないか」という噂も立ちました。また有名な噂でいうとキャッチコピーからの連想で「21世紀へGO」という語呂合わせなのではないかというものもありますね。

 

※1 10・15のそれぞれの数値は市街地を想定した測定法10種類、郊外を想定した測定法15種類を表しており、計25項目の測定法により算出されていることを示す。

 

※2 マイナーチェンジ時に2CM型に改良された。

プリウスのヒットでハイブリッドカーをみんなが知るように

当時最先端の技術を結集して作られた初代プリウスの年間販売台数は2万台を超えることこそなかったものの、利用者が手を出しづらい複雑なシステムを採用したハイブリッドカーとしては充分な売上を残しました。こうして初代プリウスが作った基礎を下敷きに、プリウスは2代目、3代目と歴史的な大ヒットを飛ばし、世間でのハイブリッドカーの認知度は飛躍的に伸びました。

 

それから2代目登場以降、他のハイブリッド車も含むトヨタの車はしばらくの間、3ナンバーが主体になり、アクアが発表されるまで5ナンバーハイブリッドカーの流れは途絶えることになります。ドアを厚くすることで側面の衝突安全性を確保する目的でこうした変化が起こったといわれています。

 

ハイブリッドカーの複雑なシステムに頭を悩ませる利用者に配慮して、コマーシャルなどでは「難しく考えないで、普通に運転してください」というアナウンスがされていました。運転意識の方にも気を配ることで、ハイブリッドカーの認知度を高めようという試みだったのでしょうね。

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